農業ブログ

食品ロスは誰得なのか

投稿日:2020年4月18日 更新日:

廃棄費用は年間2兆円!

僕は三代続く農家で、主ににんにくを作り、季節の野菜を作っています。

そんな僕が思う食品ロスについて

廃棄食品を減らすことで誰得になるのかを考えてみました。

食品ロスは、お店や外食で出されたものの食べられる食品を差し、生産過程で商品にならなかった食品は省きます。


廃棄食品を減らすとどうなるのか?

1一時的な廃棄コストが下がる

まずは、廃棄費用のうち食品が占める割合は約半分が約1兆円。これは食品全体の廃棄額としての費用も含まれています、そのうち食べられる量は推定25%。約2500億円の部分がカットの候補になります。ここの部分が一時的には削減されるはずです。現在推移としては、2012年の統計値が642万トン、2017年612万トンと増えたり減ったりを繰り返しながらも削減されています。(農林水産省)

仮に2012年に比べて約5%削減されているから、費用も約5%カットできたとします。そうすると、2500億のうち5%125億円のカットできたのかと思います。

2 お店の品揃えが悪くなる

大手イオンが、2019年に食品排気量半減を目指し、食品メーカーと協力をする「10×20×30食品廃棄物削減イニシアティブ」を発表しています。

具体的なやりかたは不明ですが、とにかく各社力をあわせて削減しましょう!って感じの取組みたいです。ここで大手食品メーカーは結構権力を持っていると思うので、供給量を減らされるのは嫌なはずです。

そこで食品メーカーが次にやる行動としては、供給量を減らしつつ利益を伸ばす方法を考えているはずなので、国からの援助か人件費削減か機械導入、付加価値をつけて単価アップかと思います。

いずれにしても、スーパーや小売店で食品に関しては供給量が減るので、品揃えは悪くなると考えられます。また「天然酵母」「1日分ビタミン」とか付加価値をつけた単価が高い食品に力を入れるようになって、トクホとか国お墨付きの食品をさらに流通に乗せていきそうですね。

①品揃えが悪くなっても、食品ロスに取り組んでいるシールみたいのがあると国民は仕方ないと思うようになるのか

②品揃えが悪い店の不満を解決するために、新しい品揃え豊富な新しいお店が流行り出すか。

どっちかというと世間的には環境のこともだけど、②の安さに惹かれる人が多くなるはずなので、結果的には今の大手スーパーから安いスーパーが新しく誕生するだけになってしまいやすいはずです。

3 食品排気量全体は減る…はず

もし①のように、国民の食品ロスを減らそうという意識は「電気はこまめに消しましょう」のようにふんわりは浸透するかもしれませんが、いずれその意識は風化して安価に頼る傾向が強くなると思います。

そうなると結局、安価食品が出回るようになり大量供給になる傾向があるので、大量の廃棄も結局は増えていく結果になるかと思います。そのため最初にお伝えした一時的に排気量が減ると考えました。

ただし、電気をこまめに消しましょうの思想は学校教育から学んでいる人が多いためか電力の消費推移は2005年をピークに下降しておりました。家庭の1ヶ月あたりの平均電気消費量2005年は304kwh、2015年は247.8kwhと20%ほど減少しています(単身者が増えているケースも含んでいたら数字のマジックかもしれませんが、電気事業連合会調べ)もしかすると、子供の教育一貫に食品ロスを取り入れると長期的に下降減少に繋がる可能性は秘めていますね。

4 結局だれが得する?

食品メーカーは食品ロスの認知度が高まれば、商品の単価アップしやすい環境作りになると思うので、こちらはウハウハだと思います。

農林水産省と環境省は食品ロスについていろいろ力を入れているので、食品ロスの認知度が高くなれば、財団か協会が複数できるので政治家がいろいろやるかと思います。

環境的に、廃棄量は一時的に減って戻ると考えるとあまり変化はないかと思います(僕の推測です)が食品に関するデザイナーさんだったり、プロデューサーさんだったり、広告会社、メディアなど、経済にお金が回るので良い影響を与えて新しい市場ができるかもしれないのでそこは大きなポイントかもしれませんね。

また食品ロスという言葉が浸透すればするほどそうしたビジネスも広がると思います。

さて、生産者として思うことは

野菜は規格にあうもの、つまり商品にならない食品はたくさん出ます。葉っぱだったり、根っこだったり、種子だったり…。生産されるものすべてがどうぶつの森で収穫するようなきれいな形で出てきません。にんにくも大きさはバラバラで傷がつくことだってあります。

例えば、僕はニンニクの芽は、茎だけではなく葉も食べます。美味しいし、にんにくの風味もあってニラやネギみたいに食べることができます。

一般的には茎の部分しか出回らないので、種子より先の葉っぱにかけて切り取って市場に出しています。でも、この葉っぱの部分は食品ロスを考える上ではノーカウントだと思うのでこういうところも食べるようになると食品廃棄量を増やしてしまうのではないかとも思えてしまいます。

人によっては、みかんの皮は食べ物という人もいますし、食べ物としない人も。

考えれば考えるほど食べられるものを捨てるという定義は人によってくるし、食品ロスは迷走します。

5 食品ロスは可能性がある

迷走する一方で、たくさんの可能性もあるのは違いありません。食品ロスの認知度が高くなるほど新しいビジネスが生まれる可能性がありますし。食品に向き合う人の価値観も変わる可能性もあります。もしかすると規格外品として多くの人から認められるようになると農薬を使わない野菜が多く市場に出回るようになる可能性も大きいかと思います。現時点でも農薬を使うのはほぼ綺麗な状態を作ることにあります。その点が世間から払拭されればオーガニックが多くなる可能性は秘めています。

消費者の立場からすると大して恩恵はなさそうにみえる活動ですが、雇用を生み出す可能性や今まで食べなかった部分が出回るようになって栄養素を野菜から多く取り入れられるようになると思います。

健康を勉強していると、野菜には栄養素があっても、美味しくないからといった理由で葉や根など切り取ってしまうことがあります。こうした活動があるとそこにある栄養素も取り入れやすくなるかもしれません。それが結果的に天然のサプリメントとして摂取することができるようになって、多くの人を健康な状態にできることに繋がるんじゃないでしょうか。

僕は普段サプリメントは取りませんし、家にいる時は畑から取ってきた旬の野菜をまるごとミキサーにかけて青汁として毎日飲んでいます。水気が足りない時はヨーグルトを足したりしていますが、かなり元気!って感じです。

もし、普段食べない野菜のこととかあれば、少しでもこうしたブログで発信していこうと思いますので参考にしてみてください。また変わった野菜の部分もメルカリ便とかで時々用意していきますのでお楽しみに!

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